テーマ④「植生の長期モニタリングに向けた画像のRGB解析法の開発」

自然環境下において植性の変化を捉えることは、地球規模の環境変動による生態系への影響を把握する上でも、生態系構造の変化を捉える上でも、非常に重要な課題である。

植生調査は一般的にコドラート法によって実施される。調査地点に正方形の枠(コドラート)を設置し、その枠内の植物群落の構成種やそれぞれの面積比(被度)を記録する方法である。このコドラート法による植生モニタリングを継続していくことは、比較的短期間で起こる季節的な変化のみならず、長期で起こる地球規模の環境変動による変化までを把握するために多大な労力と時間を必要とする。そのため、近年になって技術が大幅に向上しつつあるリモートセンシングによって、観測衛星画像から森林や海洋のモニタリングする研究が世界的に盛んに行われている。衛星データの空間分解能は飛躍的に高くなっているが、その分解能は未だ10メートル程度であり、広範囲の植生全体の観測には向いているものの、局所的な観測に実用できるものではない。その点で、古くから行われてきた植生調査との間に隔たりがあり、効率的かつ簡便に植 生調査データを数値化し動態を把握する手法は未だ確立されていない。一方、デジタルカメラの携帯性の高さと低価格、また撮影画像の解像度向上により、植生調査の際に設置したコドラート内を撮影し記録することや、インターバル撮影設定をしたデジタルカメラを設置することにより定点記録することで、ある地点の植生変化や環境変化を捉える試みが増加しつつある。撮影した画像の色情報、つまり、RGBデータを解析することによって、植物群落の構成や被度をRGBデータから数値化することが可能になれば、植生変化を簡便に捉えることが可能になると考えられる。

そこで、本研究によるデジタルカメラ画像のRGB解析法の開発によって、植生の構成や被度を自動的に抽出可能になった場合には、様々なエリアにおいて、本手法を基礎として長期的な植性の変化を捉えることに応用できると考えられる。

研究場所:国内フィールド、研究室内、たまに南極大陸

共同研究者:水野晃子(名古屋大学)


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