満月の夜に

2013年11月18日 00:28

今日は、東京の小平市にある青森県学生寮へ。

こんなところに青森の学生寮があるなんて最近まで知らなかった。

大学生たち20〜30人相手にアットホームな講演会。

高校生に話すときは、頭を悩ませることが多いのだけど、

なんとなく大学生くらいが自然に話をしやすい気がする。

どんなことを思っていたか、私にとって実感を持てる世代なのかもしれない。

社会に出るちょっと手前、だけど、社会というものを現実として捉える時期であって、

おかげで人生について一番悩み、考え、葛藤し、行動しようと思っている、そんな時期。

葛藤や悩みはいつまでたっても尽きないけれど、

今日の講演から少しでも、

何かを考えるきっかけになったり、刺激になったり、力になっていれば嬉しいと思う。



講演からの帰り道、もう21時を過ぎて人気もまばらな井の頭公園に寄ってプラプラと。

空にはくっきり、満月が浮かんでいた。

空気も冷たくて、とてもいい夜。

月が明るいから、今夜の流星群はちょっと難しいかな?

さらに月が高過ぎて、iPhoneの画角では公園の風景と一緒に写せず、無念。



そのまま喫茶店へ行き、

本日amazonから届きたての、

知り合いの北極バカ?の一人、荻田泰永さんの本北極男』(講談社)を途中まで読んだ。

まだ冒頭部分だけど、特別じゃない普通の人間が北極への冒険に向かう模様が等身大で描かれている。

これから読み進めるのが楽しみ!

カバーイラストは私も大好きな、あべ弘士さんによる

素敵なホッキョクグマとホッキョクギツネとムースとウミガラス。


私の本『すてきな 地球の果て』の中には収録できなかったけれど、

荻田さんは、ポプラビーチの連載で書いた「旅をする本」の回に登場した北極冒険家。

ページ数の都合や一冊の本としての構成の関係で収録しなかっただけで、

実は連載の中でも多くの反響があった回の一つであり、私自身も気に入っている回だ。

いつか本にしたい。

 

私の周りに、北極バカ的な冒険家は2人。

一人は荻田さんで、もう一人は山崎哲秀さん(通称:山ちゃん)。

荻田さんは徒歩、山ちゃんは犬ぞり、というスタイルで過酷な冒険を続けている。

衛星や航空機が発達し、もはや古き良き時代の冒険・探検は今や存在しない。

研究の世界も今や、衛星によるリモートセンシングなどによって進めていくほうが効率的で、

成果をうみやすい状況になっている。

けれど、自然やそこで起きている現象、つまりこの世界は、

人間の目線で観察し、自らの身体でその場に行ってみなければ

見えないこと・分からないこと・描けないことだらけだ。

私は全くもって冒険家ではないけれど、極地の過酷な環境に惹かれる気持ちや冒険をする気持ちが少しは分かる。

そこには「生きている」という強い実感がある。

表現方法は違えど、これは知的探究心も同じなのかもしれないと思う。

だから、現場で地道ながらもひたむきに冒険を継続する彼らからは、いつも大きな刺激と大きな力をもらっている。

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